糸瓜の蔓 労働組合解説     

労働組合(ユニオン)って何ですか?」とはじめる前に前提を知っておきましょう。


社会の構成について、風呂敷を広げた話を少しします。
日本という国は立法、司法、行政の3権分立(3つ国家権力で統治)で国体をなしている。おそらく中学校で習われたことと思います。

統治権力は、3権に分かれて統治している。誰も異論のないところです。では立法、司法、行政の3権が選挙で選ばれているのでしょうか?  行政の大臣や首相の選挙投票をされた方は、居られないと思います。立法・司法は直接の国民投票で選ばれます。ところが行政に対しては直接の投票権が有りません。行政を間接的に選ぶ、この方式を議院内閣制と言います。統治権力としては、3権に分離されているが、選挙過程では2権です。普通あまり気にしないことですが統治権の3権と選挙権での2権とが混在しています。この行政権について外国では、直接選挙で選ばれる国もあります。選挙は、議員や政党を選挙で選び、選ばれた議員が行政(総理や大臣)を決める。選挙の時点では、政党や議員が支持する行政者を明らかにしていない事が多い。行政は白紙委任状に近い形で、行政の選挙権を持つ政党や議員が選ばれている。大臣や総理は、直接投票で選ばれて無いので評価・判断されていないと言ってよい、行政監視の空洞化であろう。もっとも生活に密着した行政を選挙で直接選べない。行政に対して、距離感や違和感を感じる根底であろう。もっともこれは国政レベルの話で、市町村の長は、直接投票で選ばれ、司法の地方裁判所の長に対しては、選挙権が無い。色々ありと言う事であろうか。
大臣や総理の決定権は、限られた人だけに有りであり厳密に選択過程が民主主義とはいえない。3権分立の本来の趣旨から言えば、3権とも国民の投票で決めた方が良い。あまりにも普通のことだと誰も気にしないものです。でもよくよく考えると思わぬところに欠陥があるものです。議院内閣制では、行政が直接国民の監視(選挙)を受けないと言う事なので、水面下で隠密裏に行政が出来るの事にもなりかねません。
この事は近年の歴史の中で、大日本帝国憲法から日本国憲法へと変革しましたが改善されていません。主権について憲法では、天皇主権から国民主権に変わりました。でも法律として変わっただけです。主権を確立するための手続きは、極めて希薄です。たとえば大日本帝国憲法下では、天皇の統帥権は、無視され暴走したわけです。では現在の日本国憲法では、どうでしょうか? 国民主権ですから、行政が暴走し戦争を起こすなんて不可能と思われているかもしれません。でも思い込みだけであって、止める方法が無いとしたら恐ろしい事です。万一戦時下の場合、選挙なんて無いでしょう。そして司法判断で戦争が違法となつても止める強制力は司法には有りません。裁判所が行政を行う権限は有りません、だから無視されれば終わりなのです。諸外国から侵略を受けた場合、どのような対処でしょうか。最近在日米軍再編中間報告が話題になっていますが、本質は米軍は何もしない、だから自衛隊がするようにと要求しています。表向きは米軍削減で平和に向かうような表現ですが、本質は在日米軍は犠牲を払いたくない、嫌だ。だから自衛隊が変わりに犠牲になれと言っています。削減した米軍の代役を自衛隊がするように要求しています。そして有事の際は、自衛隊が米軍の指揮下で行動するようにも要求しています。現に韓国では、有事の際は韓国軍は米軍の指揮下に入ります。
(注: 2006年8月28日の読売新聞によるとラムズフェルド米国防長官が尹光雄韓国国防相にあてた書簡で、在韓米軍司令官が持っている戦時作戦統帥権について2009年に韓国に返還すると伝えている。これに対して韓国は国防力の強化の期間が必要だとして2012年を主張しているらしい。現時点では、戦時作戦統帥権米国にあるようである。)
有事の際は、韓国には主権は存在しません。米国の奴隷待遇です。これと同じ事を日本にも要求しています。米国は民主主義を言いながら、本質は自分だけのための利益主張をいっています。有事の際は、日本に対して米国のために奴隷になれと言っているのです。だから行政に対して監視が必要です。行政に対して未記入の手形を渡していはいけません。

随分大きい話になりましたが、
3権分立の趣旨とは、何でしょうか。
たとえば司法は、法律の判断は出来るが、法律を作る事は出来ない。
立法(議会)は、法律を作ることは出来るが、判断は出来ない。

これは、何を意味するの?
たとえば、司法がみずから法を作り、司法判断をすれば無制限の力を手に入れたのに等しい。例として、 法律に違反すれば、逮捕や懲役に出来るのだから、法律を都合の良いように作れば誰でも 逮捕や収監できる。すなわち都合の悪い者は、どのようにでも出来る。司法が、自分で法律を決め、更に自分で判断すれば何でもしたい事が出来る。
これでは、さすがにやり過ぎであろう。ではどうすれば良いか。
一人で決めれないシステムにすればよい。
具体的には、司法は法律の判断はするが、法そのものは作らない。 法は、立法が作る。
このようにすれば、すべての力が集中するのを避けれる。このように力を分散しておけば暴走を防げる訳けだ。 諸外国を見てみても、この権力を分散した国家が多い。
立法、司法、行政の違いを覚えておきましょう。続けて労働法の話をします。


労働法

国際労働基準
日本の労働法をはじめる前に、国際的にはどのようになっているのか知っておきましょう

     

ILO の「ILO憲章、フィラデルフィア宣言」や「 労働の基本的原則・権利宣言」を読んでいただければ国際労働基準がどのようなものかお分かりになると思います。 ぜひ読まれる事をお勧めします。 ①や②は、日本では馴染みの無い考え方ですが 本質的なことで大変重要です。

 

ILOでは、「労働者の基本的権利(強制労働並びに児童労働の禁止、結社の自由、団結権及び団体交渉権、同一価値労働同一賃金、雇用差別の撤廃)」を掲げています。とくに同一価値労働=同一賃金は、最近の派遣やパートで非正規社員で働く人にとってぜひとも実現しなければならないものです。同じ仕事をしていても、賃金の高い正社員はリストラにあい、派遣やパートの人たちは低賃金で苦しめられるのです。この根底には同一価値労働=同一賃金でないのが原因です。

 参考  ILO駐日事務所  
  同一価値の労働についての男女労働者に対する同一報酬に関する条約労働における基本的原則及び権利に関する ILO宣言とそのフォローアップ

日本の賃金の歴史的な背景。
戦後経済復興の中で年功賃金(序列)が利用されました。年功賃金とすることで、企業は手っ取り早く安い賃金で労働者を雇えた。すなわち仕事に見合うだけの賃金は、今は払わない。でも将来は仕事に見合うだけの賃金を払う。会社は、賃金は今は少しだけ払う、残りは将来払うと約束した。俗に言う空手形の発行です。こうしてセーブした利益を会社の運営に利用出来た。戦後の急激な発展を振り返れば疑う余地は無い。この復興は日本人が勤勉の故に発展したと言われたりするが、本質は低賃金故の高成長である。賃金は、長く勤めれば上乗せして払うと言う約束をしたが、働く者にとって何を意味するか? 同じ仕事(成果)を続けても、勤続年数が短ければ賃金が安い。だから賃金を上げて欲しければ、勤続し続ける。労働者に終身雇用の強要である。もし戦後復興のために年功賃金が採用されなければ、本当の意味で多様な生き方が選択出来たであろう。なぜなら転職しても賃金は同じでなのであるから転職は自由に出来る。同一価値労働=同一賃金であれば、余暇を趣味に使いたければ労働時間を減らせばよい。労働時間を1割減らせば1割の賃金の低下のみである。労働時間を1割減らして、趣味や芸術あるいは家族の為に利用できる。賃金の低下は、1割のみなのだから選択肢に十分なる。まさしく多様な生き方、多様な就労が実現できる。短時間労働や期間労働の選択が出来る訳だ。
ところが日本の現実は、パートで働けば賃金は3分の1程度に低下する。同じ労働時間であっても劇的に低下する。年功賃金制度下では、現実的問題として多様な生き方が実現できない。多様就業型は、生活保護レベルに生活水準を落とすのだから選択肢になりえない。しかるにこれを薦める行政政策がまかり通っている。思考に欠陥がある。年功賃金と言うのは、長く同じ会社で働かないと賃金が上がらない。したがって転職を思いとどまらせるに十分な理由になる。転職が少ない理由の本質はここにある。転職すれば賃金は上がらないのだから転職はしない。年功賃金は、低賃金で働かせ、転職を防止するのに極めて有効にはたらいた。
年功賃金と終身雇用は、セットとして存在しなければならないが約束手形を払う今日になって年功賃金を否定し成果給などで手形を払わない経営者がいる。計画的不渡りであ。今日でも年功賃金を悪用する経営者は、常に労働者を入れ替える。つまり短期雇用だと、年功賃金制度では賃金は上がらず、低いままである。これは今日流行の勤務期間の短い派遣やパートの低賃金にそのまま当てはまる。働き方が多様化した現在同一価値労働=同一賃金が重要です。

この事については、厚生労働省関係の審議会の多様就業型ワークシェアリング制度導入実務検討会議などでも本質的な賃金体系については何ら検討されていない。今後同一価値労働=同一賃金の法制化が必要であろう。

なお、このような年功賃金体系をとらない国家もある。たとえばスイスなどでは初任給はいきなり高いし、年功で上がる事は無い。職種が同じであれば賃金は一生同じである。物価上昇程度の賃金が上がるだけである。年功とは関係なくフラットである。

 

日本が経済政策の見本とするアメリカでは解雇自由であり、例外的である。ILOの1982 年「使用者の発意による雇用の終了に関する条約158 号」や166号でも、企業が一方的な都合で労働者を解雇することを禁止している(日本、アメリカは未批准)。

参考  ILO駐日事務所  1982年の雇用終了条約(第158号)
     1982年の雇用終了勧告(第166号)

会社が労働者を解雇すれば、経営者のみが利益を得る。逆に言えば利益追求の手段として解雇が許されるかということ。特定の人の利益のために解雇が出来るかといっても良い。会社にとっては経営上(利益)のことであり、解雇された人にとっては、生存権の問題。双方にとって等価ではない。だから等価になるようにハンディキャップ(規制)をしようと言う制度。解雇された人は、収入が途絶え貧困へと向かう。不況が好転し人材不足で雇用が発生したとき、解雇された人々は以前と同様の賃金で採用されるであろうか。以前と同じ賃金と同じではない。なぜなら生活の為に低賃金でも働かざるを得ない。だから低賃金の募集でも人が集まるから会社は高賃金を払おうとしない。富めるものは更に富を得、貧しいものは、極貧へと向かう。 これは、今流行の派遣やパートの労働者にそのまま当てはまる。 現実にアメリカが一貫して貧富の格差が拡大し続け大きな社会問題を抱えている。
 会社が労働者を解雇すれば、会社のみが利益を得る、そして労働者は何も得る物は無い。だから会社が解雇で得る利益の半分は、労働者に再配分するべきである。これが労使対等である。

     
日本の労働法
   Ⅰ 憲法  労働に関する法律は、憲法に基づいている。
     憲法に具体的に①から③の生存的基本権の保障がある。
  第25 条: 生存権、国の生存権保障義務
  第27 条:労働権( 労働の権利・義務、労働条件の基準、児童酷使の禁止 )の保証  (労働基準法の根拠となっている)
  第28 条:労働3権( 労働者の団結権・団体交渉権その他団体行動権)の保証  (労働組合法の根拠となっている)
 第27 条と第28 条の労働権を一括して労働基本権という。
   
    Ⅱ 労働組合法 憲法第28条の実定法規として制定されたもの。
    第1 条第2 項:刑事免責。ただし、いかなる場合でも暴力の行使はNG。
第2 条但書:「自主性」
第5 条第2 項:「民主性」
第7 条:以下のことを不当労働行為として禁止する。
     1 号.不利益取扱・黄犬(おうけん)契約
     2 号.団体交渉拒否
     3 号.支配介入・経費援助
     4 号.労働委員会への申立て等を理由とする報復的不利益取扱
第8 条:民事免責
   
  Ⅲ 労働基準法 憲法第27条の実定法規として制定されたもの。
    憲法第27 第2項「賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める」に基づき、制定。
第32 条:「1日8 時間、1週40 時間を超えて、労働させてはならない」
第36 条:会社が労働組合または従業員の過半数を代表する者と書面による協定を 結んだ場合には、所定労働時間を超えて労働させることができる(三六協定)。
   
  Ⅳ 民法 
    民法
第1 条:「信義則違反」、「権利の乱用」
第90 条:「公序良俗違反」
     
労働問題を扱う救済機関
  裁判所
    日本では独、仏等と違って、労働事件を専門に扱う労働裁判所が設けられていなかったが、労働審判法可決され、2006年4月から施行されました。全国の地方裁判所本庁で労働審判制度が開始されます。労働審判制度は、労働契約上の個別紛争を簡易・迅速・安価に解決し法の実効性を確保しようとするものである。

今までは、労働事件は一般の民事訴訟と同じ手続きにしたがって処理される結果、裁判に非常に時間とコストがかかる。1審だけで1年強、控訴審、上告審を含めると5 年から10 年かかる。これでは賃金や退職金未払い、解雇など司法判断(訴訟提起)による解決が出来にくかった。理由は、司法判断で勝利したとしても、それ以上のコストと時間がかかる。今後労働審判制度が出来ると、事案により民事訴訟と労働審判制度のどちらを活用するか検討が必要になってくるものと思われる。
     
  労働委員会
    各都道府県に労働委員会、東京に中央労働委員会(中央委)が設けられている。
労働組合法第20 条によって設置された、集団的労使紛争解決のための特別行政機関。公益委員、労働者委員、使用者委員の3 者構成で紛争解決にあたる。主な仕事は、
①不 当労働行為の審査
     1 号.不利益取扱・黄犬(おうけん)契約
     2 号.団体交渉拒否
     3 号.支配介入・経費援助
     4 号.労働委員会への申立て等を理由とする報復的不利益取扱
    に対する救済。
②労働争議の調整(斡旋、調停、仲裁)
の2 つから成る。労使(労働組合と使用者)の健全な発展を助けるのが目的。
     
  労働基準監督署 
   

労働省直轄の、労働基準法等の遵守を司る行政機関。「労基法を守る警察官」として、労基法等の違反に対して、「是正勧告」や「指導」の行政指導を行う。ただし、労基署はあくまで監督機関であって、個別労使紛争の解決機関と しては期待できない。すなわち労基法に違反する「解雇予告手当ての不払い」には対応するが(労基法第20 条に規定)、不当な解雇を労基署に訴えたとしても、労基法違反で取締まれないとして動かない。(不当かどうかは、民事上の事であると言う。)

     
  労働相談情報センター
    東京都の場合 労働相談情報センター 。大阪府は総合労働事務所。神奈川県は労働センター。その他の道府県にもそれぞれ名称はまちまちだが、相談所が置かれている。無料で、最も気軽に相談できる。ただし、行政が救済のために行う「あっせん」は、行政権の行使としての強制力を持たない。
     
  労働組合
    日本における労働組合の階層構造。
    企業別組合(企業ごとに結成した組合)
    個人加盟の合同労組(ユニオン)

合同労組の活用例として。
①  会社に組合が無い。
② 従来の組合が個人の問題の取り扱いに不慣れである。
③  会社の組合が御用組合である。
④ ユニオンショップ協定による拘束を避ける。
などがある。

個人加盟組合の形態 ( 集まる人たちの違いによる分類)
職能→職能別組合 例プロ野球労組
業種→産業別組合 例全日本港湾労働組合、 連帯ユニオン
地域→地域合同労組、コミュニティ・ユニオン
     
  弁護士 ( 大阪労働者弁護団 日本労働弁護団 )
    示談交渉
裁判所に対する訴訟提起(労働裁判)の依頼。
など
     
     

 

労働法が国際レベルの場合と、日本の場合の概略(枠組み)は、お分かり頂けたたと思います。ここからが「労働組合(ユニオン)って何ですか?」の本題に入ります。

皆さんが働くと言う事は、会社と労働契約を結ぶということです。日ごろあまり意識はされないと思いますが、何か問題が起きたとき「労働契約」が核心になります。労務を提供し、対価として賃金を得る行為を労働契約という約束をして行います。
普通に考えれば、何の問題も無いように思えます。
ところが生活権(生存権)は、雇用されて初めて成り立ます。雇用されないと生活権(生存権)が無いのです。この事はサラリーマン(女性も含めて)致命的に弱い立場だということです。雇用されないと生活できないのです。

憲法に
第27条(勤労の権利及び義務、勤労条件の基準、児童酷使の禁止など)
 すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。

とあるように働く事は、権利でも有り義務でも有ります。

失業者にとって、生活権(生存権)の確保は、最優先ですから低賃金でも募集に応じるしか無い訳です。短期間の有期雇用で繰り返し働く(派遣・パート)場合、雇用を更新しないと言う脅しが有り、労働条件の交渉は難しい。会社が気に入らなければ、雇用を更新しないので失業してしまうのです。減給を呑まなければ解雇と言われたら、大抵の方は生活のために要求を受け入れるでしょう。

会社にとって社員が1人多いか。少ないかは大きい問題では有りません。これに対して社員が働き続けるか、解雇かは生活権の問題です。解雇は極端な例ですが、配転や減給・昇給が起きたとき生活権の確保が最優先なので、個人では対等な交渉は出来ません。会社の存続に不可欠な特別な能力をお持ちの方でしたら話は別です。もつともこのような力をお持ちの場合、社員ではなく社長になっているでしょう。


法律的に「労働契約」はどうなのか例を挙げて見ましょう。
Aさん(会社)とBさん(皆さん)がどのような約束(労働契約)をしょうと、原則自由。最低限労働法(労働基準法)などは、守らないといけないがそれ以外は、全くの自由である。たとえば賃金は大阪府下の場合、最低賃金708円を下回ら無ければ良い。 (産業別に差が有り 塗料製造業の場合830円)。法律では708円を下回ら無ければOK、後は当事者間で800円でもかまわないし、5000円でもかまわないから当事者間で決めてOK。これが法律なのです。退職金などは、無くても一向に構わない。「退職金を払わなければならない」と言う法律は、無い。だから退職金が無くても法に違反していない。契約自由の原則に則り当事者間で好きなように決めればよいだけである。

この説明を読まれると、なーんだ簡単な事だ。当事者で決めれば良いんだと思われるでしょう。でも実際には、中々上手くいきません。お互いに対等な立場で交渉できないからです。賃金を上げたい、就業規則を変えたい、退職金規定を変えたい、こんな時一人では、まず出来無いといって良い。力関係が圧倒的に弱いからです。 たとえば不況なので賃金を下げたい、認めて欲しいと会社から提案があった場合、どうでしょうか。一人だと拒否はそう簡単ではないと、思います。

労働契約は、原則自由といいました。たとえば貴方が賃上げを要求した場合、会社が「いやです」と言えば賃上げの労働契約は、成立しません。契約は双方が同意して成立します。だから会社が嫌ですといい続ける限り賃上げは不可能です。契約とは、当事者間の同意が無いと成立しないのです。賃上げの要求があった場合、上げなければならない義務は有りません。そしてこれ以上会社は、交渉を続ける義務も無いし、賃上げの基礎資料を出す必要も無いのです。
逆に賃下げの提案が会社からあった場合、あなた自身が「嫌です」と言えば賃下げの
労働契約は、成立しません。でも嫌ですと言えますか。中々困難な事です。では労働組合と会社の交渉(団体交渉)では、どうでしょうか。

憲法第28 条で労働3権( 労働者の団結権・団体交渉権その他団体行動権)の保証があると説明しました。
具体的には

労働組合と労働3権
  憲法第28 条で労働3権( 労働者の団結権・団体交渉権その他団体行動権)を保証 
  労働組合

労働組合法では、保護される労働組合の条件として次のことをあげています。(労働組合法第2条)
①労働者が主体的になって作られている事。
②労働者が自主的につくって入る事。
③労働条件の維持改善その他経済的な地位の向上を図る事を主な目的にしている事。

結成は、労働者が2人以上集まればいつでも自由に結成できます。上記の①から③を満たせばよく、使用者の承認などは必要有りません。ただ労働組合が有効に機能を果たすためには、出来るだけ多くの労働者で結成が望ましい。なお会社に労働組合が無い場合や、結成が困難な場合、個人加入できる合同労働組合(ユニオン)に加入する事により労働3権を活用する事もできる。

     
  団結権 労働組合を結成し、あるいは加入し、団結する権利。
  団体交渉権 会社と労働条件等について交渉できる権利。
使用者は、正当な理由なく拒否は出来ません。 
  団体行動権 争議権とも言う。話し合いの状況に応じて、ストライキなどを行う権利。
     
     

労働組合には、労働3権( 労働者の団結権・団体交渉権その他団体行動権)があり、これを元に労使間で対等の立場で交渉出来る。これが労働組合の本質である。

会社から減給や、労働条件の低下の提案を受けたとき、対抗して「いやです。認めません」といえれば何の問題も無いのですと言いました。たいていの場合相当な困難があるでしょう。嫌がらせで転勤になるかも知れないし、割の合わない仕事ばかり回ってくる様になるかも知れません。なぜこうなるのでしょうか。使用者が圧倒的な力を持っているからです。これは一番最初に説明した国家の3権分立が会社に出来ていないのです。この例では、すべての権限を会社が持っています。会社は、社長の者でもなく、オーナーの物でも有りません。会社は、株主・経営者・社員の共有財産です。ですから社員は、積極的に会社に関与するべき。でも一人一人でバラバラに関与できないのて、ここで組合の価値が発揮されます。

会社の業績が良いのに給料が上がらなかったり、あるいは会社が一方的に減給をしてきた場合、どのようにすれば良いでしょうか。先ほどのAさんとBさんの間の例では、圧倒的な力関係を背景に迫られるでしよう。でも労働組合の労働3権を持っていれば対等な交渉が出来るのです。一番最初に申し上げました3権分立の仕組みと重要性。これは会社では、株主・経営者・組合になります。

労働組合は、労働者を契約自由の民法原理に対して盾になります。具体的には、会社から減給や降格を言われると中々断りきれません。嫌々でも同意すれば契約は成立し有効です。ではどうすれば断れるか? それは対等の立場に立つことです。労働組合は、対等な立場で労使関係を構築できます。 労働は、商品では有りません。労働は、権利です。